「ジョリパット」アイカ工業株式会社
HEADベストセレクション賞選評
内外装どちらにも採用でき、左官仕上げにできるほどの予算がない場合でも、様々な下地、仕上げ色および質感の選択肢が豊富な点や、素材感を主張したい仕上げとしても素材感を消したい仕上げとしても使える点、大きな面をシームレスに仕上げることが可能な点などが、さまざまな空間を設計する自由度を確保するのに大きく寄与してきたと評価された。(木島千嘉、木島千嘉建築設計事務所)
メーカーよりコメント
設計士やデザイナーの想像力を刺激する自由度の高い意匠性塗材です。
塗り壁材のパイオニアとして、約40年にわたる信頼の実績があります。塗り壁ならではの「多彩な表情」と、工業製品としての「機能と品質」「優れた施工性」が空間デザインに新しい価値と刺激を与えてきました。180色以上のカラーと100以上の仕上げパターンから選べる自由度の高い塗材です。これからも、色・仕上げパターン・機能付加・様々な骨材による新意匠や、環境に配慮した新工法開発など塗材トレンドをリードしていきます。
HEAD会員建築家コメント
ジョリパットはなつかしい製品です。私も設計チームで参加させていただいた、2001年竣工の伊東豊雄さん設計「せんだいメディアテーク」の3階図書館の天井は、石膏ボード2枚張りの下面にこれが全面吹いてあります。それは50m角であいだなんのジョイントもない大きな白い天井面で、しかも天井から吊るしたペンダント照明の光の反射面として設計されていたのですから、適度に「あばだ」で、光をうまく拡散させるジョリパットは最適の素材でした。唯一心配したのが経年変化だったのですけれども、10年以上経ち東北大震災を経た今でも、あの天井はクラック一つなく下からの光をやさしく反射しています。仙台に行ってあの3階に立つたびにほれぼれしながら見上げています。(松原弘典、北京松原弘典建築設計公司)
一般名称として「人工珪藻土」と呼ばれるように、土塗り壁のイメージを表現しつつも、表面強度、耐候性、防汚性に優れた、非常に使い勝手のよい製品。色調の均質性によって、土そのもののような風合いとはならないが、一方でモダンなインテリアなどにもよく調和する。そういう意味では、現代における新しい仕上げ材としての地位を確立した素材といっても良いと思う。(山本想太郎、山本想太郎設計アトリエ)