「ARAKAWA GRIP」荒川技研工業株式会社
HEADベストセレクション賞選評
ピクチャーハンギングシステムの定番であり、ボールベアリングを利用したワイヤー固定金具「ARAKAWA GRIP」は、1975年の製品化以来40年近く経った現在でも、その機能やデザインの先進性において不変である。荒川技研のピクチャーレールは、一点一点の部品の完成度の高さだけでなく、システムとしてのコンセプトが明確であり、利用者が目的に応じて必要な組合せを選択できるようになっている。また、ハンギングシステムだけでなく、ステンレスワイヤーの特長を生かしたテンショングリッパー(手摺システム)もまた、建築家の強い味方である。(宮崎浩、プランツアソシエイツ)
メーカーよりコメント
ARAKAWAGRIPは1975年に開発されたボールベアリングを利用したワンタッチでレベル調整ができ、確実に安全にワイヤーを固定できる金具です。現在では美術館の絵画吊り、建築分野のワイヤー手すり、店舗のウインドウディスプレイ、またオフィス・住宅のピクチャーレール・照明吊りなど幅広い分野、用途でご愛用いただいております。
HEAD会員建築家コメント
建築空間内のワイヤリングにおいて、ほぼ定番となっているシステムである。その理由は、全体に参加するパーツとして節度を持った存在感と、同時にそのもの自体のデザインをないがしろにしていないこと。その両立を達成した製品は多くない。100年後にも使われているであろうスタンダードになりうる製品である。(新堀学、新堀アトリエ)
それまで、必要であることはわかっていても見て見ぬふりをしていたステンレスワイヤーという即物的な存在を、優れたディテールによって堂々と建築部材として見せるという存在に高めた功績は計り知れないと思う。(中村研一、中村研一建築研究所)