建具のニワ (建具ノニワ)
会場 | 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009 |
所在地 | 新潟県十日町市東田沢(中里エリア)、タバコ倉庫 |
用途 | アート作品 |
設置面積 | 128.92 ㎡ |
設計 | 山本想太郎設計アトリエ |
大地の芸術祭2006 において数多くの「空家プロジェクト」(=空家となった民家を、アーチストと建築家のコラボレーションで再生した作品)の設計に関わった経験から、考案されたアートです。
作品名にある「ニワ」とはこの地域の民家の土間空間の古くからの呼称であり、雪深いこの地域では、かつてはそこで牛を飼ったり作業をしたりしていました。
作品名にある「ニワ」とはこの地域の民家の土間空間の古くからの呼称であり、雪深いこの地域では、かつてはそこで牛を飼ったり作業をしたりしていました。
ここではタバコの葉を乾燥させる倉庫として使われていた建物の内部に、庭のように散策する空間を作りました。材料は妻有全域から集められた木製建具約150 枚を用いており、そのすべてを白く塗ることによって、かつてその建具が置かれていた生活空間の多様さを示す「形」をより明確にしています。また建具に残されたガラス面は、水面のような水平面を形成します。
訪れる人々は、建具の障子紙やガラスが無くなった穴の部分をたどって、このニワを散策しなければなりません。空中に浮遊する、建具でできた3 つの筒の上部から間接的に外光は入りますが、内部は薄暗くなっています。つまずかないように慎重にゆっくりと歩きながら、建具の形態や、外部的な内部というニワの特質から、この地の空間イメージの断片を身体で感覚するというアートです。
制作にあたっては、地域の方々、学生有志の方々にもご協力いただきました。