池沢の家
会場 | 越後妻有アートトリエンナーレ2006「空家プロジェクト」 |
所在地 | 新潟県十日町市池沢 |
用途 | 展示施設(会期中) |
延床面積 | 201.4(m2) |
既存建物 | 木造2階建 |
アーチスト | アイシャ・エルクメン |
設計 | 山本想太郎設計アトリエ |
この家は中越地震の傷跡を生々しく残しており、内部ではあらゆる家財が壊れ、散乱しています。アーティストからは特に図面やスケッチは提供されず、ただ建物の外部をツタで覆うことと、内部をそのまま保存してその状態を見られるように通路を設けるという着想のみが与えられました。
その通路の設計に際しては、あたかも地震と同時に時間が停止してしまったかのような感覚と同調するように、通路と建物が切り離された存在となるように考えました。こうして途切れなく完結した環状の動線を白木のままの木材で表現する案が完成し、アーティストの同意を得ました。また通路に合わせて裸電球の照明も配置しました。
空家プロジェクトの共通資材として製造された杉の本ざね板による通路の幅は54cmと細いものですが、ある程度の同時来客を想定してすれ違いが可能な部分を数箇所に計画しています。
ツタの生育はまだこれからですが、しだいに時間と空間が封印されていきます。
ツタの生育はまだこれからですが、しだいに時間と空間が封印されていきます。