コンタクト―足湯プロジェクト

会場大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006
所在地新潟県十日町市浦田  松之山湯田温泉「ゆのしま」敷地内
用途足湯施設、アート作品
設置面積109.8(m2)
施工上村住建
設計プロスペクター
「大地の芸術祭–越後妻有アートトリエンナーレ2006」において、一般公募により選定されたプロスペクターの参加作品。
里山の豊かな自然風景、そして2000年からの芸術祭によって蓄積された数多くのアートをもったこの妻有の地において、それらをいかに豊かな感性で体験させるか、ということをテーマに提案されました。
長旅のあと、駆け足で作品を見て回る見学者を「足湯」という装置によって一時休め、身体的・精神的に癒します。足湯は多くの人が一緒に入浴できるとともに、必然的に裸足となってこの地の大地と水に接することになります。このようにこの場で発生する全ての感覚的反応=コミュニケーションを増幅させる装置としての足湯の作品名を「コンタクト」としました。
「コンタクト」の対象は、自然・アート・人などに限定されるものではありません。むしろその総体としての「環境」のみが意識され、そしてそこに存在する「自分自身」とのコンタクトこそがこの装置の最終目標です。

温泉旅館の庭が敷地として選ばれたため、ある程度の囲いを設けて視線を制御しつつ密度の高い場を作ることを計画しました。その囲いには「空家プロジェクト」の経過で得られた古民家の建具を100枚以上用い、屏風状に自立するスクリーンとしました。また足湯槽内の腰掛には、廃校から譲り受けた児童用のイスを用いています。

写真:© DAICI ANO