「UDMプロジェクト」 UDMプロジェクト

HEADベストセレクション賞2011受賞製品
「UDMプロジェクト」 UDMプロジェクト

デザイン:塚本カナエ(Kanae Design Labo) 写真:大木大輔

HEADベストセレクション賞選評
狭小公共住宅を高齢者住宅にリニューアルする仕事をしていて、照明スイッチ、コンセント類についてはともかく、特殊なスイッチ類がまちまちの大きさ、形状、色であることに困り果てた経験がある。機器に付属したスイッチは取替がきかない。緊急通報装置と在宅外泊切替スイッチ、空調機や床暖の操作盤などがリビングの同じ壁面に並ぶのは耐えられないし、バスコールと浴室リモコン、トイレコールと紙巻器のように似てはいるが微妙に異なる色のプラスチック製品を並べなければならない。UDMプロジェクトに参加する企業が増え、スタンダードとなることを願ってやまない。(渋田一彦、昌平坂建築研究所)
メーカーよりコメント
United Design of Materials Projects(UDMプロジェクト)は、住宅インテリアの質的向上を目指し、調和を考えた内装部材の開発プロジェクトです。各専門分野で活躍する6名の実行員が、12色のUDMカラーを選定し、参加企業が製造・取扱いするインターホン、コンセント、タイル、クロス等18種類のアイテムから約80品の製品を厳選しました。美しく調和し、コーディネートのしやすい仕様を提案しました。
2012年は、色だけではなく形・素材にこだわったスイッチプレートを開発しました。今後もより多くの企業と繋がりを構築し、美しく調和のとれた空間提案を進めてまいります。
HEAD会員建築家コメント
このプロジェクトのことを知ってから、現場の最初に設備担当者へ説明し色調の統一への協力を求めるようにしているが、ロールスクリーンの昇降スイッチや特殊な調光スイッチなど対応できないものも多く、参加する企業が少しでも増えてくれることを期待している。第1回の受賞者である神保電器がこのプロジェクトに参加してあらゆるスイッチ類に対応できるようになってくれると嬉しい。 (中村研一、中村研一建築研究所)


建築設計において「製品」がよそ者であり、扱いづらい相手であることの一大要因である、色調の調整不能性の改善に対して確実に一歩を踏み出した志の高いプロジェクト。このようにメーカーの垣根を超えた動きこそ業界全体の未来につながるという考え方には、力をこめて賛同したい。そしてまだまだ分野も、参加企業も、広がっていってほしい。希望としては是非、照明ランプの光色にも基準色を提案していただけると有難い。 (山本想太郎、山本想太郎アトリエ)


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